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般若心経

仏説摩訶般若波羅蜜多心経

般若心経

大まかな意味

観音様が修行によって深い智慧を完成した時、物体や精神には実体が無く空であると悟り、すべての苦悩や災厄から抜け出すことができた。舎利子(お釈迦さまの弟子)よ、物体は実体のないものであり、実体がないのが物体である。つまり、物体の本質は実体がないということであり、実態のないものこそが物体なのだ。これは、感覚や意識といった精神的なことも同じである。舎利子よ、すべての現象には実体がないのだから、生じることも減することもない。汚いとかきれいということもない。増えたり減ったりすることもない。物体もなく、精神や感覚もない、目に映る世界もなければ、意識に映る世界もない。悟りを妨害するものもなく、悟りを促すものもない。老いも死もないし、老いや死がなくなることもない。苦しみの原因もなければ、苦しみを解決する方法もない。悟れないし、悟りもない。何もないのだから。
菩薩さまは、こうした深い智慧によって、すべてにこだわりがない。こだわりがないから恐怖もない。すべての誤った妄想からはなれて、究極の静寂の境地となる。過去・現在・未来の仏さまも、この深い智慧の完成によって、このうえなく優れた境地となった。この深い智慧こそが、比類なく最上の、すべてを明らかにする心理の呪文である。これは偽りなく、本当にすべての苦を除く。

ここに、この深い智慧の呪文を示そう。
行ける者よ。行けるものよ。彼岸に行ける者よ。
彼岸にともに行けるものよ。悟りよ幸いあれ。
彼岸に渡る智慧の教え。

※あくまでも大まかな意味です。上記の経文につきましても、宗派によって読み方などが異なります。正しくは菩提寺にお尋ねください。

般若心経とは?

おそらく、多くのお経の中で最も有名なのが般若心経でしょう。日本で一般的に知られている般若心経は、西遊記の三蔵法師のモデルである玄奘三蔵の翻訳によるもので、これは、全600巻という膨大な量の「大般若経」から、エッセンスだけを抜き出してまとめた、いわばダイジェスト版のようなものです。般若心経の「心」の字はそれを表しています。
正しくは「般若波羅蜜多心経」と言い、言語のサンスクリット語で分解すれば、
「般若=プラジュニャー(最高の智慧)」・「波羅ム=ハラム(彼岸=悟り)」・「イ多=イター(渡る)」ですから、「彼岸へ渡るための智慧」となります。これに「心=フリダヤ(核心)」が加わって、
「プラジュニャーパーラミターフリダヤスートラ」(スートラ=経=教え)つまり、「悟りをひらくための智慧を説いた教え、その核心」という意味になります。

内容は?

「空」の境地を説いています。空の境地とは何事にもこだわりのない心のことで、悟りにもこだわるな、煩悩の克服にもこだわるな、と教えます。煩悩の克服や悟りにこだわると、それが執着になってしまい、かえって悟れない結果になってしまいます。こうしたこだわりをすべて捨てれば、おのずから空の境地がひらけ、彼岸=悟りへ到達できるということでしょう。

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